ご両親の思い出を引き継ぐ家

既存を活かしながら、新しい世代へとつなぐリフォーム
築40年のご実家をリフォームされたN様邸。
施主様のご希望は、ご両親の思い出を継承すること。
その実現のために、既存の材料や構造を活かしつつ、世代交代の新しい感性を取り入れた空間を目指しました。
設計士と現場の職人、工場とで綿密な打ち合わせを行ったうえで図面を作成し、部分的に原寸大の図面もつくって検討を重ねました。

既存建物と新設部分で色や素材を合わせることにより、外観に一体感を持たせています。

内装や機能面を一新し、より快適なLDKへ
開放感を持たせたいというご希望で、平天井から、既存の梁を活用した梁見せ天井へと改修しました。
設計士と職人から数パターンご提案し、施主様にお選びいただきました。

家の中を明るくしたいとのご希望により、LDKをはじめ、玄関・土間スペース・階段には、明るい色合いの塗り壁を採用しました。

塗り壁には、調湿効果のある自然素材の材質を使用。
また、壁内への通気口を新規で設けるなど、建物の維持管理の面にも配慮しています。

ご両親と施主様の思い出の収納扉を使用し、オーダーメイドのキッチンに組み合わせて新設しました。

海外製の食洗器や収納、美しいセラミックワークトップなど、施主様のこだわりが詰まっています。

風情を残した和室と、眺望のよい新設テラス
風情のある既存の空間をそのまま活かし、壁の補修やサッシの入れ替えなど、光を取り入れ明るくするための工夫にとどめています。
L字型サッシの角部分は、突板貼り仕上げとして既存の柱とデザインを合わせました。

和室の大きな窓から続く、新設の2階テラス。
タイル式にというご要望をいただき、今後のメンテナンスも考慮して後置きタイプをご提案しました。
寸法の違うタイルをランダムに組み合わせて、アクセントを入れた配置としています。

お餅つき用の土間スペース＋ウッドデッキ
ご両親の思い出を受け継ぐ結納部屋から用途を変更した玄関横の土間スペース。LDKと同様に、梁見せ天井を採用しています。
お餅つきをしたいとのご要望で生まれた空間は、玄関に拡がりを与えています。

窓の向こうには、土間とフラットにつながるウッドデッキを設置。
お餅つきの際に土間だけでは手狭になる可能性があったため、一続きの空間としてデッキをご提案しました。

広がる風景やデッキ下の植栽にもなじむよう、味わいのある天然木の素材を採用いただきました。

シンプルでシックな手洗いコーナー
土間スペースの一角には手洗いコーナーを設けました。
ボウルや水栓、タイルやカウンターなどのパーツは、施主様のご意見をお伺いしながら、設計士よりご提案させていただきました。

ゆったりとした、洗練された雰囲気の洗面室
新設の造作洗面台には、人造大理石の広いカウンターと2枚の鏡を設置しました。家族2人以上で同時に身支度をしても、十分ゆとりのある大きさです。

素材の質感や色合いなど、施主様による品の良いセレクトでまとめられています。