2024年11月に令和6年度補正予算が閣議決定され、「子育てグリーン住宅支援事業」の創設が盛り込まれました。事業の内容は省エネ住宅を新築したり、リフォームで省エネ化したりする際に補助金が支給されるというもので、利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、子育てグリーン住宅支援事業について押さえておきたいポイントを解説いたします。補助金を上手に活用し、暮らしやすいマイホームを実現しましょう。
目次
子育てグリーン住宅支援事業の概要
子育てグリーン住宅支援事業とは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、省エネ性能の高い住宅普及を支援するために国が実施する補助制度です。この事業は、特に、子育て世帯や若者夫婦世帯を中心に、環境に優しい住宅への移行を後押しすることを目的としています。地球温暖化への対策を推進しつつ、家庭のエネルギーコスト削減も狙いとしています。
対象となる住宅と取り組み
子育てグリーン住宅支援事業では、新築住宅だけでなくリフォームも補助対象とされています。新築住宅は、高い省エネ性能を備えた「ZEH基準を大きく上回る住宅(GX志向型住宅など)」や「長期優良住宅」「ZEH水準住宅」が主な対象です。一方、リフォームでは断熱改修やエネルギー効率を向上させる設備の導入が対象要件となっています。また、住宅の購入やリフォームを検討している全世帯を対象としつつ、特に子育て世帯や若者夫婦世帯に手厚い支援を行っています。
子育て世帯への特別な支援内容
子育て世帯には特別な支援が設けられており、2006年4月2日以降に生まれたお子さまがいる家庭が対象となります。このため、将来を担うお子さまたちの成長に適した、省エネで快適な住環境を整えることが容易になります。支援額も条件によって上限が異なり、新築住宅の場合は最大160万円の補助が受けることができるなど、積極的な支援が行われています。
ZEH水準住宅とは?
ZEH(ゼッチ)水準住宅とは、高い断熱性能と省エネ技術により、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロを目指す住宅のことです。この基準を満たす住宅では、家庭で消費するエネルギーを大幅に削減でき、環境負荷の軽減にも大きく貢献いたします。さらに、太陽光発電など再生可能エネルギーを利用した設備も積極的に取り入れることが特徴です。子育てグリーン住宅支援事業では、このようなZEH水準住宅への移行を強力に推進しています。
2025年度における大きな変更点
2025年度版では、補助対象や条件にいくつかの変更が加えられる予定です。具体的には、GX志向型住宅に重点が置かれることで、省エネ性能がさらに高い住宅への支援が強化される見込みです。また、申請期間や条件面に関する詳細な内容も随時更新されています。施工会社の登録条件や申請手続きの流れにも変更点があるため、事前に最新情報を確認することが重要です。
子育てグリーン住宅支援事業の詳細と補助金を受け取るまでの流れ
子育てグリーン住宅支援事業の申請手続きは、建築主(建築工事を発注した人)ではなく、実際に家を建てる事業者が行います。制度を利用するには、登録事業者を調べてから依頼する必要があります。
子育てグリーン住宅支援事業 補助金の金額と条件
子育てグリーン住宅支援事業とは、高い省エネ性能を持つ住宅への移行を支援する国の制度です。この支援事業では、新築住宅では最大160万円、リフォームでは最大60万円の補助金が受けることができる点が特徴です。ただし、補助額は住宅の性能基準や工事内容によって異なります。
たとえば、新築住宅で「GX志向型住宅」の場合は最大160万円、「長期優良住宅」では80万円または100万円、「ZEH水準住宅」では40万円または60万円(特定の条件下)まで補助が受けられます。一方、リフォームでは断熱工事やエネルギー効率に関する取り組みが対象となり、これらの条件を満たすことで60万円まで受け取ることが可能です。特に子育て世帯や若者夫婦世帯は優先的な対象に含まれるため、住宅取得を検討している場合は大きな支援を受けることができます。
子育てグリーン住宅支援事業 申請手続きの流れ
子育てグリーン住宅支援事業の補助金を受けるためには、事前の手続きが重要です。申請の流れは以下の通りです。
【新築の場合】
①登録事業者と契約を結ぶ
②交付申請の予約に必要な書類がすべて揃い次第、登録事業者が交付申請の予約(任意、遅くとも2025年11月14日まで)
③基礎工事の着工
④基礎工事完了後に登録事業者が交付申請
⑤基礎工事より後の工程の工事に着手(2024年11月22日以降)
⑥交付決定通知
⑦登録事業者が一定以上の出来高の工事完了報告(2026年1月31日まで)
⑧登録事業者による実績報告の後、交付
⑨引き渡しおよび精算・入居
⑩登録事業者が完了報告
詳細については、実際に契約する建築事業者に確認しましょう。
子育てグリーン住宅支援事業を活用するメリット
子育てグリーン住宅支援事業を活用することによって、高い省エネ性能を持つ住宅をお得な価格で手に入れることができます。新築住宅の場合、最大160万円もの補助は初期費用の負担を大きく節約させるだけでなく、将来的な光熱費の削減にも繋がります。リフォームの場合でも、補助金を活用して断熱性を向上させることで、毎日の生活コストが削減されるほか、住環境の快適さも向上いたします。また、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みに参画できる点もメリットのひとつです。
注意すべき申請期限とスケジュール感
子育てグリーン住宅支援事業の申請期限は、2025年11月までに工事着手することが条件となっています。この期限を過ぎると補助金を受けることができなくなりますので、スケジュール感を持って計画を立てることが必要です。
また、補助金申請の予約は早めに行うのが安心です。特に、年度末には申請が集中する場合や、予算が満了する場合、早めの行動が重要です。施工会社との打ち合わせや必要書類の準備なども余裕を持って進めるように心がけましょう。
補助金を上手に活用することで、子育てに適した省エネ住宅をお得に実現することができます。計画を立てる段階から申請手続きの詳細まで確認し、賢く補助金を活用しましょう。
補助制度をうまく活用するためのポイント
住宅設計の際に考慮すべき要素
子育てグリーン住宅支援事業を活用する際には、住宅設計の段階で省エネ基準をしっかりと考慮することが重要です。特に、新築住宅ではZEH水準住宅やGX志向型住宅の基準を満たす省エネ性能が求められます。具体的には、断熱性能「6以上」やエネルギー消費量削減率100%以上といった高い基準が設けられています。これらの要件を満たすためにも、計画段階から性能評価や設計の方向性を慎重に検討しましょう。
補助金対応の事業者の選び方
子育てグリーン住宅支援事業では、補助金を受け取るために事前に登録された施工会社を選ぶ必要があります。登録事業者のリストは公式ウェブサイトに掲載されているため、信頼できる事業者から選定しましょう。また、事業者選びでは、これまでの補助事業に関する経験や実績などを確認することをおすすめします。経験豊富な事業者は手続きや要件についてもスムーズに対応することができるため、結果的に工期や予算の管理がしやすくなります。
リフォームと新築で異なる補助活用戦略
子育てグリーン住宅支援事業は、新築とリフォームで補助額や条件が異なります。新築の場合、最大160万円の補助が受けることができ、特にGX志向型住宅や長期優良住宅が優遇されます。一方で、リフォームの場合は最大60万円の補助が可能となり、ほかの補助金との併用も認められています。そのため、新築とリフォームのどちらを選ぶかに応じて、事業の適用範囲が変わる点を理解しておくことが大切です。計画段階で補助金活用のシミュレーションを行い、自分に合った選択肢を選びましょう。
ほかの省エネ住宅支援制度との比較
子育てグリーン住宅支援事業は、ほかの省エネ住宅支援制度と併用が可能な場合があります。同様に住宅の省エネ性能を高めることを目的とした制度として、住宅ローン減税や地域型グリーン住宅事業などが挙げられます。これらの制度は対象となる条件や補助金額の範囲が異なるため、事業の特徴を比較して最適な組み合わせを検討しましょう。特に、ほかの制度との併用を想定する場合、重複した要件や申請期限に注意することが必要です。
子育てを中心に据えた快適な住環境づくり
本事業では、子育て世帯への特別な支援が充実しており、より快適で安全な住環境を実現することが可能です。省エネ基準を満たした住宅性能に加え、子育て世帯ならではのニーズに応じた間取りや快適性を追求することで、親子で暮らしやすい住まいが完成いたします。また、省エネ性能が高い住宅は、光熱費の節約につながるだけでなく、断熱性能や空気環境が向上するため、お子さまの健康面にもプラスの影響があります。このように、補助制度を活用することで子育てに最適な住まいを手に入れるチャンスを活かしましょう。
2050年カーボンニュートラルに向けた住宅の未来
GX志向型住宅が目指す持続可能な社会
GX志向型住宅は、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、国が推進する「グリーントランスフォーメーション(GX)」の一環として注目されています。これらの住宅では、再生可能エネルギーの活用や高い断熱性能を備えた省エネ設計が採用され、エネルギー消費量の大幅な削減を可能にいたします。子育てグリーン住宅支援事業とは、こうしたGX志向型住宅の普及を推進するため、補助金を提供する事業です。これにより、持続可能な社会を目指す家庭の負担軽減が期待されています。
省エネ住宅が環境と家庭にもたらす影響
省エネ住宅は、環境への負荷を軽減するだけでなく、住む人々にさまざまな恩恵をもたらします。たとえば、断熱性能の向上によりエネルギーロスが減り、冷暖房費の節約が可能です。また、ZEH水準住宅などを導入することで、快適な室内温度を維持しやすくなるため、子育て環境にも適した住まいを実現できます。子育てグリーン住宅支援事業とは、このような省エネ住宅を推進し、家庭全体でのエネルギー効率を向上させる取り組みを支援する制度です。
GX志向型住宅の技術的進化と今後の動向
GX志向型住宅では、最新の技術を活用して省エネ性能を飛躍的に向上させています。具体的には、高効率な太陽光発電システムや蓄電池、AIを活用したエネルギー管理技術が導入されています。また、今後は建材のさらなる進化やスマートホーム技術との連携が進み、エネルギー消費をより一層抑制できる住宅が主流になると予想されます。子育てグリーン住宅支援事業とは、こうした技術の普及を支援し、GX志向型住宅のさらなる発展を後押しする役割も担っています。
子育てグリーン住宅支援事業を活用して快適な住まいづくりを
高性能な住宅を新築したり、省エネ目的でリフォームしたりする際は、国の補助金制度である子育てグリーン住宅支援事業を利用できます。新築やリフォームにかかる費用は、決して安いものではありません。負担を軽減しつつ理想の住まいを手に入れるために、補助金制度を上手に利用しましょう。
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