大切な家族の一員であるペット。注文住宅を建てるなら、人も動物も安全で快適に暮らせる理想の住まいにしたいですよね。
この記事では、滑りにくい床材選びや専用の足洗い場、猫が喜ぶキャットウォークなど、愛犬家・愛猫家が取り入れて満足した家づくりのアイデアと、計画時に知っておきたい注意点をご紹介します。
目次

【共通】ペット(犬や猫)と暮らす家を建てる際のポイント
大切な家族の一員であるペットと快適に暮らす家を建てるには、犬や猫の習性や行動を理解し、双方にとって安全でストレスの少ない環境を整えることが重要です。
ここでは、犬と猫に共通する家づくりのポイントを、「床材・壁材」「間取り」「安全性」「衛生・健康」の4つの観点からご紹介します。
床材・壁材の選び方:ケガ防止とメンテナンスのしやすさ
ペットと暮らす注文住宅では、床材や壁材の選び方が重要です。
特に、犬や猫が滑ったり、爪で傷をつけたりするリスクを考慮して、滑りにくく耐久性の高い素材を選びましょう。
クッションフロアやコルク材は、ペットの足腰への負担を軽減し、衝撃を吸収する特性があります。
また、消臭機能や防水性を備えた塗装を採用することで、日々の掃除が楽になり、快適な暮らしを実現できます。
間取りの工夫:ペットと人の快適な共存を目指す
ペットと人が快適に共存する家づくりには、間取りの工夫が必要です。
たとえば、リビングにペット専用のくつろぎスペースを設けたり、それぞれの動線を考慮してストレスを軽減する設計をしましょう。
また、犬の散歩後のケアが可能な足洗い場や、猫がリラックスできる高さのあるキャットウォークなどを取り入れることで、ペットの習性を活かした暮らしを実現できます。
安全対策:家の中の危険を取り除く
ペットにとって家のなかは安全でなければなりません。
好奇心旺盛なペットによる事故を防ぐため、電気コードやコンセント口は適切にカバーを施し、飲み込む可能性のある小物を収納可能なスペースを確保しましょう。
また、犬や猫が誤って開けてしまうリスクのある扉や窓には、ロック機能を導入することをおすすめいたします。
一戸建てでは、窓やバルコニーからの転落対策が重要です。適切な安全対策を講じることで、ペットが安心して過ごせる住まいが実現いたします。
衛生・健康管理:清潔で快適な環境を保つ
ペットと暮らす家では、常に清潔で健康的な環境を維持することが重要です。
掃除のしやすい床材や壁材に加えて、ペット専用のトイレスペースや洗浄エリアを設けると便利です。
また、空気清浄機や消臭機能がある設備を導入することで、室内の空気環境を整え、ペットと飼い主双方の健康を守ることができます。
注文住宅であれば庭でペットが自由に運動できるスペースをつくることも、ストレス軽減につながるためおすすめです。
【犬編】ペットと暮らす家を建てる際のポイント
犬の習性や犬種ごとの特性を理解し、それに合わせた家づくりをすることで、人も犬も安心して暮らせる理想の住まいが実現します。
ここでは、犬と暮らす家を建てる際に特におさえておきたい「屋外(庭・玄関)」「室内(間取り・素材)」「安全対策」の3つのポイントを解説いたします。
屋外との連携で毎日を楽しく【庭・玄関まわり】
散歩や外遊びが好きな犬にとって、屋外と室内をスムーズにつなぐ動線は非常に重要です。
⚫︎庭に専用のドッグランを設ける
運動不足やストレスの解消に、自宅の庭にドッグランを設けるのが人気です。
周囲の目を気にせず、いつでも愛犬を思い切り遊ばせることができます。
広さの目安は、小型犬なら10平米程度、中型犬以上なら20平米以上あると良いでしょう。
また、安全対策として敷地の外への飛び出しを防ぐため、犬が飛び越えられない高さのフェンスを設置することが必要です。
⚫︎散歩帰りに便利な「足洗い場」
散歩から帰ってきてすぐに足の汚れを洗い流せるよう、玄関の土間やその近くに足洗い場やペット用のシンクを設置すると非常に便利です。
温水が出るようにしておけば、寒い冬でも快適に使うことができます。
⚫︎広々とした玄関土間と収納
玄関に広い土間スペースを設けることで、リードや散歩グッズ、雨具などを収納するのに役立ちます。
ペットカートのようなかさばるモノも、そのまま置いておけるので便利です。
室内でのびのび過ごすための工夫【間取り・素材】
犬が多くの時間を過ごす室内環境は、安全性と快適性を両立させることが重要です。
⚫︎犬が安心してくつろげる専用スペース
家族の気配が感じられるリビングの一角などに、犬が一人で落ち着ける専用のスペース(居場所)を設けてあげましょう。
犬は群れで生活していた習性から、一人は苦手ですが、安心できるプライベートな空間も必要です。
階段下のデッドスペースを「隠れ家」のように活用するのも良いアイデアです。
⚫︎運動不足を防ぐ「回遊動線」
室内でも体を動かせるように、行き止まりをなくして家のなかをぐるぐると歩き回れる「回遊動線」を取り入れると、犬の運動不足解消やストレス軽減に役立ちます。
⚫︎外を眺められる窓
外の景色を眺めるのが好きな犬のために、リビングなどの窓を低い位置に設置すると、ストレス軽減につながることがあります。
愛犬を事故から守るための安全対策
好奇心旺盛な犬を家のなかの思わぬ危険から守るためには、細やかな配慮が必要です。
⚫︎キッチンへの侵入防止
火や刃物、誤飲の危険がある食材など、犬にとってキッチンは危険が多い場所です。
キッチンへの入り口にペットゲートを設置できるよう、あらかじめ計画しておくと安心です。
⚫︎階段の安全性
急な勾配の階段は、犬の落下や足腰への負担につながります。
なるべく緩やかな勾配にする、滑り止めを設置するなどの工夫をしましょう。
⚫︎脱走防止対策
玄関ドアや窓からの飛び出しによる事故を防ぐため、玄関と廊下の間にドアを一枚設けたり、開閉できないタイプの窓(FIX窓)をうまく活用したりするなどの対策が有効です。
庭だけでなく、門扉などを設置して敷地全体で脱走防止を考えることも重要です。
犬と暮らすお家の施工事例
【猫編】ペットと暮らす家を建てる際のポイント
しなやかで自由気ままな猫との暮らしは、多くの癒やしを与えてくれます。
そんな愛猫とより快適で安全に暮らすためには、猫ならではの習性を理解し、それに寄り添った家づくりをすることが重要です。
ここでは、猫と暮らす家を建てる際に特に重要な「運動能力と習性を活かす工夫」「安全・衛生面の配慮」「徹底した脱走防止対策」の3つの観点から、ポイントを解説いたします。
猫の運動能力と習性を最大限に活かす工夫
室内で暮らす猫が運動不足やストレスを溜めないためには、猫の本能を刺激するような環境づくりが必要です。
⚫︎上下運動できる「キャットウォーク」や「キャットステップ」
高い場所を好む猫にとって、上下運動は心と体の健康に必要です。
注文住宅なら、リビングの壁や吹き抜けの梁などを活用して、デザイン性の高いキャットウォークやキャットステップを造作できます。
部屋を一周できるような動線や、外を眺められる窓の近くに休憩スペースをつくってあげると、猫はより一層喜ぶでしょう。
⚫︎安心して爪とぎできる場所の確保
爪とぎは猫にとってマーキングやストレス解消のための大切な習性です。
壁や家具で爪とぎされるのを防ぐため、あらかじめ複数の「爪とぎ専用の柱」やスペースを設けておきましょう。
猫が好みやすい、安定感のある硬い素材を選ぶのがポイントです。
⚫︎日向ぼっこや外を眺めるためのスペース
日向ぼっこが好きな猫のために、日当たりの良い窓辺に出窓やカウンターを設けるのがおすすめです。
適度な日光浴は、猫の健康維持にもつながります。
また、外の景色を眺めることは、猫にとって良い刺激になるでしょう。
⚫︎隠れられる「パーソナルスペース」の確保
縄張り意識が強く、単独行動を好む猫には、誰にも邪魔されず安心してくつろげる隠れ家のような場所が必要です。
階段下のデッドスペースや、収納の一部を猫専用のスペースとして活用するのも良いアイデアです。
安全と衛生に配慮した素材選びと設備
猫が安全で健康に過ごせるよう、家のなかの素材選びや設備にもこだわりましょう。
⚫︎床材・壁材の選び方
床材は、高い場所からの飛び降りに備え、足腰への負担が少なく滑りにくい素材を選びましょう。
また、壁材は爪とぎによる傷を防ぐため、耐久性の高い壁紙や、腰壁などを採用するのがおすすめです。
⚫︎猫用トイレの置き場所
キレイ好きな猫はトイレ環境にとても敏感です。
人目につきにくく静かで落ち着ける場所に設置するのが基本です。
掃除のしやすさやニオイ対策のため、換気扇の近くや、砂が飛び散っても掃除が楽な場所に配置すると良いでしょう。
多頭飼いの場合は「猫の数+1個」のトイレを準備するのが理想とされています。
⚫︎キッチンへの侵入防止
火や刃物、猫にとって有害な食べ物など、キッチンには危険がたくさんあります。
猫が簡単に入れないように、引き戸やペットゲートで仕切れるような設計にしておくと安心です。
【重要】徹底した脱走防止対策
猫は犬以上に身体が柔軟で、わずかな隙間からでも脱走してしまう可能性があります。
交通事故や感染症から愛猫を守るため、脱走防止対策は万全に行いましょう。
⚫︎玄関
玄関ドアと廊下の間に、もう一枚ドア(脱走防止扉)を設けるのが非常に効果的です。
これにより、人の出入りの際に猫が飛び出すのを防げます。
⚫︎窓
窓を開ける際は、猫が通り抜けられない幅に制限できるストッパーを活用しましょう。
破れにくい強化網戸を採用したり、網戸にロックを付けたりすることも重要です。
⚫︎ベランダ
ベランダやバルコニーに出る場合は、落下や脱走を防ぐために、天井まで届くフェンスやネットで囲うなどの対策が必要です。
猫の習性を深く理解し、猫にとって安全で快適な環境を整えることは、結果的に飼い主にとっても「壁や家具が傷まない」「粗相が減る」など、ストレスの少ない幸せな暮らしに繋がります。
猫と暮らすお家の施工事例
ペットと暮らす家の失敗例
良いと思って取り入れた工夫が、かえって失敗だった…というケースは少なくありません。
ここでは、床材選びやコンセントの位置、脱走対策など、多くの飼い主が「こうすればよかった」と後悔した失敗事例をご紹介いたします。
【床材】見た目重視で選んだら、ペットも床もボロボロに…
おしゃれな無垢材のフローリングに憧れて採用したものの、ペットにとっては滑りやすく、足腰に負担がかかってしまったというケースがあります。
さらに、猫の爪で床は傷だらけになり、粗相のシミも取れなくなってしまいました。
見た目だけで選び、ペットの安全性や素材の耐久性を考慮しなかったことに後悔する声は多いです。
【コンセント】ちょうど良い場所に無く、コードをかじられヒヤリ
ペット用のヒーターなどを置きたい場所にコンセントがなく、延長コードを使わざるを得ない状況になった失敗例です。
その結果、ペットがコードをかじってしまい、危うく感電寸前の危険な目に遭うこともあります。
設計段階でペット用品の配置を具体的に想定し、それに合わせたコンセント計画を立てなかったために起こる、よくある後悔のひとつです。
【脱走】玄関だけ気にしていたら、まさかの浴室の小窓から…
玄関からの飛び出し対策は万全にしたつもりでも、思わぬ場所から脱走されてしまうケースがあります。
たとえば、換気のために開けていた浴室の小さな窓から、猫が網戸を器用に開けて出てしまったという事例があります。
玄関やリビングだけでなく、家中の窓からの脱走リスクを見落としていたために起こる、飼い主にとって非常にショッキングな失敗です。
ペットと快適に暮らす家の間取りの工夫3選
人もペットもストレスフリーに暮らすには、間取りの工夫が必要です。
ここでは、お世話が楽になる動線や、ペットが安心して過ごせる居場所づくりなど、家づくりの計画段階で取り入れたい間取りの具体的なアイデアを3つご紹介いたします。
ニオイ対策も万全!換気扇付き「ペット専用トイレ」
猫のトイレの置き場所とニオイは大きな悩みです。
そこで、階段下や収納の一部に、換気扇と消臭機能のある壁紙を使った「ペット専用トイレ」スペースをつくりましょう。
人目を気にせず、猫も落ち着いて用を足せます。
近くに猫砂やペットシーツを収納できる棚を設ければ、掃除の手間もぐっと楽になり、リビングなどを清潔に保てます。
お世話が楽になる「グルーミング・ユーティリティ」
洗面脱衣室やランドリールームの一角に、ペットのシャンプーやブラッシングができる「グルーミングスペース」を設けるアイデアです。
床を水に強い素材にし、深めの多目的シンク、ドライヤー用のコンセント、ケア用品の収納棚を集中させます。
汚れたペットのベッドやタオルをすぐに洗濯機に入れられる動線も確保でき、お世話が格段に楽になります。
室内から続く「セーフティ・ペットテラス」
脱走や交通事故の心配なく、ペットを外の空気に触れさせたいなら「ペットテラス」がおすすめです。
リビングの窓などから直接出られるよう、ウッドデッキやバルコニーを頑丈な柵やネットで囲った空間です。
猫の日向ぼっこや外を眺める場所として、また小型犬の安全な遊び場として活用でき、ペットのストレス解消に繋がります。
最高のパートナーと暮らす、世界で一つの家を目指して
ペットと暮らす家づくりは、単なる住宅の設計ではなく、大切な家族である犬や猫との快適で安全な暮らしを実現する特別なプロジェクトです。
ペットとの暮らしをさらに豊かにするためには、その習性や行動を深く理解し、暮らしを楽しむ空間を設計することが重要です。
芦屋市を中心に注文住宅の家づくりを手掛ける高翔では、これまでにも多くのペット共生住宅を手掛けてきた実績がございます。家の専門家「ハウスソムリエ」たちが土地探しから建築設計、アフターサービスまで、確かな知識と技術でトータルコーディネートいたします。
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