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資産形成
2026.02,22

【2026年最新】令和8年度税制改正で相続税はどう変わる? 貸付用不動産“5年ルール”と不動産小口化商品の評価見直し

令和8年度税制改正大綱では、相続税の「財産評価の適正化」として、貸付用不動産と不動産小口化商品の評価が大きく見直される方針が示されました。ポイントは、相続直前の取得・新築などにより、市場価格(時価)と相続税評価額の乖離を利用した対策が効きにくくなる可能性があることです。本記事では、改正の枠組を「誰が・いつから・どう変わるか」で整理し、芦屋エリアで相続不動産を検討する際の実務ポイントまで、分かりやすく解説いたします。

※本記事は、「税制改正大綱」に基づく一般的な内容です。最終的な法令・通達で取扱いが変わる可能性があるため、個別案件は税理士等の専門家に確認してください。

この記事を読むとわかること

  • ⚫︎ 相続税は「時価主義」が原則であり、評価の“乖離”が大きい分野から是正が進みます。

    ⚫︎ 貸付用不動産については、相続等の直前5年以内に取得・新築した場合、原則として「通常の取引価額(≒時価)」で評価される方向です。

    ⚫︎ ただし一定の場合、取得価額を基に地価変動等を加味し、80%相当で評価できる仕組みが示されています。

    ⚫︎ 不動産小口化商品(不特法・信託受益権等)は、取得時期にかかわらず、「通常の取引価額」を考慮して時価評価する方向です。

    ⚫︎ 適用は原則として「2027年1月1日以後の相続等」とされており、例外(経過措置)も示されています。

今回の改正で何が変わるか

今回の見直しは、相続税の根本にある「時価主義」をより実態に近づける動きです。これまで不動産は、路線価や固定資産税評価額など“通達評価”で計算するため、市場価格とズレが出やすい面がありました。大綱では、その乖離が特に大きくなりやすい「相続直前に取得・新築した貸付用不動産 」「不動産小口化商品」に焦点を当て、評価のルールを“時価寄り”に改める方針を明確にしています。

現行において土地は、時価の7〜8割前後が目安、建物は時価の何割と一律には言えないとされております。

 

⚫︎貸付用不動産

相続等の課税時期前「5年以内」に取得・新築した場合、原則としては「通常の取引価額に相当する金額(≒時価)」で評価する方向です。ただし、最終的な取扱いは法令・通達で整理されるため、個別案件は専門家に確認が必要です。

 

⚫︎ 不動産小口化商品

取得時期にかかわらず、通常の取引価額に相当する金額で評価する方向です。ただし、時価の参照方法は商品の仕組みや開示情報により異なります。

貸付用不動産:「5年ルール」の対象と評価の考え方

 

「5年ルール」は、相続の直前に賃貸物件を購入または新築し、通達評価との乖離を使って相続税を圧縮する動きに歯止めをかける狙いがあります。大綱では、課税時期前5年以内に「対価を伴う取引で取得」または「新築」した一定の貸付用不動産については、課税時期の通常の取引価額(≒時価)で評価する方針を示しました。ここが最大の変更点となります。

 

「対象」になりやすいケース

⚫︎ 相続開始(または贈与)前5年以内に、投資用・賃貸用として購入した物件

 

⚫︎ 相続開始前5年以内に、賃貸目的で新築した物件(建築中を含む場合も議論対象になり得ます)

 

「評価」は原則 “時価” 、ただし80%評価の道も

大綱の注記では、通常の取引価額に相当する金額は課税上の弊害がない限り、取得価額を基に地価変動等を考慮して計算した価額の80%相当で評価できる仕組みが示されています。つまり「必ず丸ごと時価」ではなく、一定の計算ルールで“時価相当”を作るイメージです。

 

※従来の通達評価(貸家建付地など)自体は、国税庁の評価通達に基づく枠組みとして存在します。どのルールが優先されるかは、最終的な通達整備での整理が重要になります。

 

関連記事:貸付用不動産の「5年ルール」とは? 対象・具体例・注意点を図解

不動産小口化商品:取得時期に関係なく「時価」へ

 

不動産小口化商品は、仕組み上は「不動産そのもの」ではなく、契約上の権利(持分)として保有する形が多く、従来は評価のズレが論点になりやすい分野でした。大綱では、不動産特定共同事業契約や信託受益権に係る金融商品取引契約のうち一定のものを対象に、権利の目的となっている貸付用不動産を、取得時期にかかわらず通常の取引価額に相当する金額で評価する方針を示しています。

 

「通常の取引価額」をどう決める?

大綱は、課税上の弊害がない限り、次のような情報を参考にし金額を求められるとしています。

 

⚫︎ 事業者が示す適正な処分価格・買取価格など

 

⚫︎ 事業者が把握する適正な売買実例価額

 

⚫︎ 定期報告書等に記載された不動産価格 など

 

情報がない場合は?

参考とする情報がないと認められる場合は、貸付用不動産と同様の方法で評価する考え方も記載されています(取得時期や評価の安全性を考慮)。

 

関連記事:貸付用不動産の「5年ルール」とは? 対象・具体例・注意点を図解

いつから適用? 経過措置は?

 

改正のインパクトを判断するうえで、最も大切なのは「適用日」と「例外(経過措置)」です。大綱では、上記の改正は原則として 2027年1月1日以後に相続等で取得する財産の評価に適用すると示されています。つまり、2026年中の相続・贈与は原則として現行ルールで評価される可能性があります。ただし、制度の最終内容や個別事情により取扱いは変わるため、実行前に必ず専門家へ確認しましょう。

 

経過措置(例外)のポイント

大綱では貸付用不動産について、通達に定める日までに、被相続人等が所有する土地(その日から5年前にさかのぼって所有しているものに限る)に新築した家屋(建築中を含む)には適用しない、という例外が示されています。要するに、一定の“前から持っていた土地での新築”については配慮される可能性がある、という設計です。

 

関連記事:貸付用不動産の「5年ルール」とは? 対象・具体例・注意点を図解

芦屋・阪神間で相続不動産を扱うときのポイント

 

税制が変わる局面では、「節税になるか」だけで判断すると、売却・賃貸・修繕・管理・家族間調整などの“現実”が後回しになりがちです。とくに芦屋市や阪神間は、エリア特性(需要・価格帯・賃貸マーケット)が物件ごとに大きく異なります。相続税評価の話は税の専門分野ですが、最終的に資産を守るには「不動産としてどう動かすか」を同時に設計することが重要です。ここで地域の不動産実務に強い相談先が効いてきます。

 

まずは対応すべきチェックリスト

 

⚫︎ 物件が「貸付用不動産」に該当するか(居住用との切り分け)

 

⚫︎ 取得・新築の時期が「相続等の5年以内」に入るか

 

⚫︎ 小口化商品なら、参照となる価格情報(買取価格・実例等)があるか

 

⚫︎ 相続人の意向(売却する/保有する/賃貸に出す)と、キャッシュフローの見通し

 

⚫︎ 税理士・司法書士など専門家に確認すべき論点の整理(争点を減らす)

 

「税」だけでなく「出口」まで一緒に考える

改正後は、“評価のテクニック”よりも、

 

⚫︎ 保有し続ける合理性(収益・修繕・空室リスク)

⚫︎ 売却のしやすさ(流動性・買い手層)

⚫︎ 家族の合意形成

が、結果的に資産防衛に直結します。

高翔では、芦屋・阪神間の相続不動産について、売却査定・活用提案・収益不動産の整理など状況に応じた選択肢の整理についてご相談いただけます。

相続を見据えた不動産の売却・活用・整理を検討する際は、税の論点と並行して、地域相場・需要・物件特性から現実的な選択肢を組み立てることが大切です。ぜひお気軽にご相談ください。

(税務判断は税理士等へ確認しつつ、実務は地元の不動産会社も活用するのが近道となります)

まとめ

令和8年度税制改正大綱は、相続税の財産評価を「時価主義」に沿って整える流れを明確にしました。特に、相続等の直前5年以内に取得・新築した貸付用不動産と、不動産小口化商品については、評価が時価寄りになる可能性が高く、従来の発想のまま対策を組むと想定外の結果になることもあります。一方で、相続不動産は「税」だけでなく「どう保有し、どう引き継ぐか(出口)」が成否を分けます。芦屋・阪神間のようにエリア特性が強い地域ほど、早めに現状整理を行い、専門家確認と実務検討を並行して進めるのがおすすめです。

高翔では、芦屋・阪神間の相続不動産について、売却査定・活用提案・収益不動産の整理など状況に応じた選択肢の整理についてご相談いただけます。相続を見据えた不動産の売却・活用・整理を検討する際は、税の論点と並行して、地域相場・需要・物件特性から現実的な選択肢を組み立てることが大切です。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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