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不動産投資
2026.06,22

不動産投資の利回りとは? 計算方法や表面・実質利回りの違いについて

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不動産投資を検討していると、物件広告で「利回り◯%」という表記を目にする機会が多いでしょう。しかし、「利回りが高ければ良い物件なのか」「表面利回りと実質利回りはどう違うのか」と疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。

利回りは物件の収益性を測るための便利な基準です。しかし、計算方法や前提条件によって数値の見え方は変わり、数字だけで判断すると想定外のリスクを見落とす可能性もあります。

この記事では、不動産投資における利回りの基本から表面利回りと実質利回りの違い、利回り以外に確認すべきポイントなどを整理して解説します。

不動産投資の利回りとは? 基本的な考え方

 

不動産投資において、利回りは重要な指標の一つです。物件の収益性を比較する目安として広く活用されていますが、計算方法や種類によって意味合いが変わります。

 

利回り=投資額に対する収益の割合を示すベンチマーク

利回りとは、投資額に対してどの程度の収益を見込めるかを見るための基準です。広告でよく使われている表面利回りとは、物件価格に対する年間家賃収入の割合を示し、物件を簡易的に比較する際の目安になります。

なぜこの基準が重視されるかというと、購入価格と家賃収入のバランスを一目で把握できるためです。預金金利や株式の配当利回りと同じように、投資額に対するリターンの大きさを把握するための参考指標として使われます。

たとえば、3,000万円のマンションを購入して年間家賃が180万円の場合、計算上の利回りは6%となります。同条件で物件価格が2,500万円であれば、利回りは7.2%まで上昇する計算です。

ただし、家賃収入のみを基準としているため、実際の手取り額とは差が生じる点には留意しなければなりません。

 

物件比較の目安として活用されている

利回りは、立地や築年数が異なる物件同士を比較する際の共通指標として活用されています。エリアや物件タイプによって相場が異なるため、平均的な水準を知ることで判断軸を持てるからです。

具体的に、日本不動産研究所「第53回 不動産投資家調査」(2025年10月)では、以下のような期待利回りが報告されています(エリアはいずれも大阪)。

エリア・物件タイプ 期待利回り
東京・城南 ワンルームマンション 3.7%
東京・城南 ファミリーマンション 3.8%
東京・丸の内、大手町 Aクラスオフィスビル 3.2%
大阪(平均) ワンルームマンション 4.3%
大阪(平均) ファミリーマンション 4.3%
神戸(平均) ワンルームマンション 4.7%
神戸(平均) ファミリーマンション 4.7%

出典:一般財団法人 日本不動産研究所「第53回「不動産投資家調査」(2025年10月現在)の調査結果」

 

中古物件や地方都市は購入価格が抑えられる分、利回りが高めに出やすい傾向があります。築古の戸建てでは、利回り10%を超えるケースも実際にあり得ます。

ただし、数値が高い物件には賃貸需要の弱さや売却の難しさといったリスクが伴う場合もあります。利回りだけで判断するのではなく、さまざまな要素を勘案したうえで慎重に見極めることが大切です。

表面利回りと実質利回りの違い

 

不動産投資の利回りには、計算方法の異なる「表面利回り」と「実質利回り」があります。広告でよく目にするのは表面利回りですが、実際の収益力を見極めるために両方の意味を理解しておきましょう。

 

項目 表面利回り(グロス利回り) 実質利回り(ネット利回り)
計算式 年間家賃収入÷物件価格×100 (年間家賃収入−年間諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100
主な用途 物件の簡易比較・広告表示 実際の収益判断
特徴 計算が簡単で数値が高めに出る 現実に近いが計算がやや複雑

表面利回りの計算方法

表面利回り(グロス利回り)とは、年間の家賃収入を物件価格で割って算出するシンプルな利回りの計算方法です。

多くの場合、不動産広告に表示されている利回りは経費を差し引く前の表面利回り、または満室時の家賃収入を前提にした想定利回りです。

 

【計算式】

表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100

 

たとえば、物件価格3,000万円のマンションで年間家賃収入が180万円であれば、「180万円÷3,000万円×100=6.0%」となります。

ただし、管理費や税金などの支出は反映されていないため、実際の収益とは差が出る点に注意しましょう。

 

実質利回りは経費や諸費用も含めて考える

実質利回り(ネット利回り)とは、家賃収入から運営にかかる経費を差し引き、購入時の諸費用も加味して算出する利回りです。

実質利回りが重視される理由は、表面利回りよりも実際の手取りに近い数値が把握できるためです。

 

【計算式】

実質利回り(%)=(年間家賃収入−年間諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100

 

差し引く年間諸経費には、固定資産税・火災保険料・管理費・修繕積立金などが含まれます。購入時諸経費とは、仲介手数料・登記費用・不動産取得税などです。

経費を反映する分、実質利回りは表面利回りよりも低い数値になるのが一般的です。

 

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広告の利回りを見る際の注意点

不動産広告に記載されている利回りを見る際は、表示の前提条件を確認しておくことが大切です。

なぜなら、広告に表示されているのは多くの場合「表面利回り」かつ「想定利回り」だからです。想定利回りは満室を前提に算出された数値で、空室がある物件でも満室時の家賃をベースに計算されています。

たとえば広告で「利回り10%」と表示されていても、空室発生や年間諸経費を加味すると、実際の利回りは表示より大きく下がることがあります。

そのため、表示の数値はあくまで参考値と捉えましょう。利回りだけでなく、諸経費や不動産投資におけるリスクを自分で確認し、判断する姿勢が大切です。

 

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【高利回り物件の罠?】収益物件の利回り計算の基本と注意点

利回りだけで判断しないために確認したいポイント

 

利回りは物件の収益性を測る目安になりますが、数値の高さだけで投資判断を下すのは危険です。実際の収益性は立地・建物状態・融資条件など複数の要素で決まるため、利回り以外のポイントもあわせて確認しましょう。

高利回り物件にはリスクがある場合もある

高利回り物件は一見魅力的ですが、数値の裏に潜むリスクの見極めが大切です。利回りの高さは、物件価格の安さによって生じている場合があります。

物件価格が低い主な理由は、以下のとおりです。

 

  • 築年数の古さ
  • 空室リスクの高さ
  • 修繕費の増加
  • 管理状態の悪化など

 

国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、大規模修繕工事の戸あたり費用は「100〜125万円/戸」の割合が最も高く、次いで「75〜100万円/戸」「125〜150万円/戸」でした。

購入後に大きな修繕負担が発生すれば、想定していた利回りや手残りは大きく下がる可能性があります。

さらに築古物件は売却時に買い手が付きにくく、出口戦略を描きづらい点にも注意が必要です。

 

出典:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

賃貸需要や管理状態を確認する

賃貸需要と建物の管理状態は、長期的な収益性を左右する重要なポイントです。なぜなら、入居者がつかなければ家賃収入は得られず、管理が行き届かない物件は資産価値も下がりやすいためです。

総務省「令和5年住宅・土地統計調査(確報集計)」では、2023年時点の全国の空き家率は13.8%と過去最高となっています。地域によって空室リスクは大きく異なるものの、人口動態や周辺の競合物件、賃貸需要を事前に確認することが重要と言えるでしょう。

修繕履歴や長期修繕計画、管理組合の運営状況もチェックし、長期運用に耐える物件かを見極める姿勢が大切です。

 

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」

利回りだけでは実際の手残りは分からない

利回りの数字だけでは、最終的に手元に残る金額までは把握できません。なぜなら、ローン返済額・金利・税金が収支を大きく左右し、キャッシュフロー(資金の出入りの差)まで確認しないと実際の手残りが見えないためです。

不動産投資ローンの金利は、メガバンクや地方銀行で年1%台後半〜3%台、ノンバンクで2%台〜5%台が中心です(2026年5月現在)。表面利回りが高く見える物件であっても、ローン返済や管理費、修繕費などを差し引くと、実際の手残りは想定より小さくなる場合があります。

利回りだけで判断せず、ローン返済を含めた年間収支シミュレーションを必ず行いましょう。

 

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【いくら必要?】収益物件投資の初期費用と無理のない資金計画の立て方

不動産投資の利回りは総合的に判断することが大切

 

不動産投資の利回りは、物件の収益性を把握する便利な目安ですが、数値だけで投資判断を下すには情報が足りません。

実際の収益力を見極めるには、年間諸経費や購入時諸費用を加味した実質利回りを実際に試算してみましょう。空室率・修繕費・ローン返済額・税金などキャッシュフロー全体まで確認する必要があります。

そして賃貸需要や建物の管理状態、出口戦略まで含めて検討し、長期的に安定した収益が見込めるかを判断しましょう。

 

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