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不動産投資
2026.10,19

不動産投資 損益通算 の仕組みと条件|できないケースやリスクを解説

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「不動産投資で赤字が出たら、給与の税金を取り戻せるのか」という疑問は、会社員投資家や高所得者の方から最も多く寄せられる相談のひとつです。

不動産所得が赤字になった場合、給与所得など他の黒字と合算して相殺(損益通算)することで、所得税の還付や住民税の減額を受けられる仕組みがあります。

しかし、赤字であれば何でも通算できるわけではありません。別荘などの趣味的な貸付、土地取得のための借入利子の一部、国外中古建物の減価償却による赤字など、税法上「損益通算が認められない(制限される)」ケースが厳格に定められています。

この記事では、不動産投資における損益通算の基本概念をはじめ、損益通算できるもの・できないものの比較一覧表、給与所得と相殺するメリット、税務調査で否認されやすい落とし穴、確定申告の実務チェックリストを詳しく解説します。阪神間(芦屋・西宮・神戸)で創業38年・1,000棟以上の実績を持つ高翔が分かりやすくご紹介いたします。

この記事を読むとわかること

  • ・不動産投資における損益通算の定義と、給与所得と相殺して税金を抑える仕組み
    ・【徹底比較表】損益通算できる赤字 vs できない赤字(制度上の4大制限)
    ・「会計上の赤字(減価償却)」と「手元キャッシュ」の決定的な違い
    ・土地負債利子の不参入や家事按分など、税務署に否認されやすい5大論点
    ・会社員が確定申告で損益通算を安全に活用するための実務チェックリスト
    ・芦屋・西宮・神戸で税務と手残りキャッシュフローを両立させる高翔Style+の強み

不動産投資の損益通算とは?まず押さえるべき前提

損益通算の基本概念

 

損益通算とは、不動産所得の計算上で生じた赤字(損失)を、給与所得や事業所得など他の黒字の所得から差し引いて課税所得を圧縮できる税務上の仕組みです。

 

「会計上の赤字」と「手元に残る現金」は別物

・不動産所得 = 年間の家賃収入等 − 必要経費(減価償却費・管理費・借入利息・修繕費・固定資産税等)

不動産所得の計算において最も特徴的なのが「減価償却費」の存在です。建物の購入費用を耐用年数に応じて分割計上する減価償却費は、実際には手元から現金が流出していないにもかかわらず、帳簿上の経費として計上できます。
そのため、「家賃収入からローンの返済や運営費を払っても手元に現金は残っているが、税務上は赤字になっている」という状態を作り出すことが可能です。この帳簿上の赤字を給与所得と相殺することが、不動産投資による節税の本質です。

 

損益通算は手段であり、投資の成否ではない

損益通算は税負担を軽減する有効な手段ですが、投資そのものの成功を保証するものではありません。空室が続いたり、実際の返済負担が重く手元のキャッシュフローが赤字になっていれば、いくら税金が戻っても資産形成としては失敗してしまいます。「安定した家賃収入と将来の売却(出口戦略)」が成立した上で、副次的なメリットとして損益通算を活用するという順序が肝要です。

【徹底比較】損益通算できるケース vs できないケース一覧表

不動産投資で生じる損失には、法律上「損益通算が認められるもの」と「通算が明確に制限されるもの」があります。その違いを一覧表で比較いたしました。

 

損益通算の可否に関する判断基準一覧
損失の要因・物件種別 損益通算の可否 法的な理由と取り扱いのポイント
国内賃貸物件の減価償却費・修繕費 可能(原則) 国内の一般賃貸マンション・アパートの事業用経費から生じた赤字は、給与所得と全額相殺可能。
土地取得のための借入金利子 一部不可(制限) 赤字の原因が「土地購入に係る利息」に該当する部分は損益通算の対象外(切り捨て)。建物利息のみ通算可。
別荘・保養目的の物件の貸付 不可(全額除外) 主として趣味・娯楽・保養を目的とする不動産(リゾート物件等)の損失は、生活に通常必要でない資産として通算不可。
国外中古建物の減価償却費 不可(税制改正済) 令和3年税制改正により、国外中古建物の簡便法償却による損失は他の所得との損益通算が一切禁止されました。
特定組合員等の損失 不可(全額除外) 任意組合などの組合契約で、経営に実質関与しない特定組合員に生じた不動産所得の損失は生じなかったものとみなされます。

給与所得と損益通算の相性が良い理由

給与所得と損益通算

 

会社員や医師、士業などの給与所得者が不動産投資を始めた際、損益通算による効果が極めて大きくなる理由は以下の2点です。

 

1. 源泉徴収された所得税が確定申告で直接還付される

会社員は毎月の給与やボーナスから所得税が天引き(源泉徴収)されています。
翌年2〜3月の確定申告で不動産所得の赤字を給与所得と損益通算すると、再計算された納付税額が天引き済み税額を下回るため、差額が指定口座へ現金で振り込まれます(還付金)。さらに、翌年度の住民税も引き下げられます。

 

2. 累進課税により、高所得者ほど減税インパクトが大きい

日本の所得税率は、課税所得に応じて5%から最高45%まで上がる累進課税です。
例えば、同じ「100万円の不動産赤字」を通算した場合でも、課税所得400万円の方(税率20%)は約20万円の節税ですが、課税所得1,000万円超の方(税率33%+住民税10%=43%)なら約43万円もの税金を取り戻すことができます。

損益通算が制限される(できない)4つの代表例

損益通算の制限ケース

 

税法によって明確に「損益通算が認められない」と定められている4大ルールです。

 

1. 土地取得借入金の利息(土地利子不参入ルール)

不動産所得の赤字のうち、「土地を取得するために借り入れたローンの利息」に相当する部分は、給与所得等との損益通算が禁止されています。
建物部分の借入利息や減価償却費による赤字は通算できますが、土地代の利息分は切り捨てとなるため、物件購入時の「土地と建物の按分契約」および借入金の使途明細の管理が極めて重要です。

 

2. 別荘・リゾート物件など趣味的色彩の強い貸付

自身や家族が保養目的で利用する別荘を「オフシーズンだけ他人に貸し出している」というケースです。税務上「生活に通常必要でない資産」とみなされ、生じた赤字は他の所得と相殺できません。

 

3. 国外中古建物の減価償却費による損失

かつて流行した「アメリカの木造中古住宅を4年で早期償却して巨額の赤字を作る」スキームは、令和2年度税制改正(令和3年分以後の所得税から適用)により完全に封じられました。海外中古建物の減価償却費から生じる損失は、国内の不動産所得や給与所得と通算できません。

 

4. 任意組合などの特定組合員の不動産所得の損失

不動産特定共同事業法(不特法)の任意組合型小口化商品などで、自ら事業執行を行わない投資家(特定組合員)に生じた損失は、税務上「生じなかったもの」とみなされ、個人の給与所得等と通算することはできません。

「赤字の作り方」の誤解|節税目的だけの投資に潜む危険性

節税目的の投資リスク

 

損益通算を狙うあまり、初心者が陥りがちな3大誤解とリスクです。

 

誤解1:ローンの元金返済を経費と思い込む

銀行へのローン返済のうち、経費になるのは「利息」だけです。「元金返済分」は借入金の返済(負債の減少)であって、税務上の経費には1円もなりません。ここを勘違いすると、「実際の現金は返済で消えているのに、帳簿上は黒字になって税金が請求される」という資金ショートを招きます。

 

誤解2:節税額以上に毎月の手元資金が流出する

年間30万円の税金が戻ってきたとしても、空室や管理費で毎月5万円(年60万円)のローン持ち出しが発生していれば、手元の現金は年間30万円マイナスです。重要なのは「税金がいくら減ったか」ではなく、「税金を払った後にいくらの現金が手元に残ったか(手残りキャッシュフロー)」です。

 

誤解3:売却時の「譲渡所得税」を見落とす(税の繰り延べ)

減価償却を多く取って帳簿上の赤字を作ると、建物の簿価(帳簿価格)がゼロ近くまで下がります。
その物件を売却する際、「売却価格 − 簿価 = 譲渡所得」が巨額になり、多額の譲渡所得税が課されます。入口で節税した分を、出口で一括納税する構造を理解しておかなければなりません。

税務調査で否認されやすい5大論点

税務調査の注意点

 

税務署が確定申告書をチェックする際、特に厳しく確認される5つのポイントです。

・私的支出の混入:個人的な飲食代、家族旅行の交通費、私物の購入代金を不動産の経費に紛れ込ませていないか。
・家事按分の根拠不足:自宅兼用オフィスや自家用車の経費計上において、業務使用割合(面積比・走行距離・使用日数など)の客観的証拠があるか。
・修繕費と資本的支出の区分:外壁塗装や設備交換をすべて一括経費(修繕費)にしていないか(建物の価値を高める改良は減価償却が必要)。
・土地利子と建物利子の按分根拠:1本の借入金で土地建物を購入した場合に、契約書の記載に基づいて適正に利息を区分しているか。
・事業実態のないペーパーカンパニー:実質的な賃貸経営の活動実態がない名目上の節税スキームに手を染めていないか。

確定申告の実務チェックリスト

確定申告の実務準備

 

損益通算を適正に活用し、税務署からの指摘を確実に防ぐための保存書類リストです。

 

  • 家賃収入の根拠資料:入金通帳のコピー、賃貸借契約書、管理会社からの月次送金明細書
  • 物件取得時の売買契約書類:売買契約書(土地・建物の価格按分が明記されたもの)、重要事項説明書、登記簿謄本
  • 金融機関の借入関連書類:金銭消費貸借契約書、返済予定表(元金と利息の内訳が分かるもの)
  • 経費の領収書・請求書:管理委託手数料、固定資産税納税通知書、火災・地震保険証券、修繕工事の見積・請求書
  • 減価償却の計算明細:建物本体および建物付属設備の取得価額、耐用年数、償却方法の記録
  • 家事按分の計算メモ:事業用割合を算出した面積計算図面や日報記録

まとめ|損益通算は、出口まで設計して初めて武器になる

損益通算は、不動産投資初期の減価償却や修繕費を給与所得と相殺し、キャッシュフローを守るための強力な制度です。しかし、制度の制限を正しく理解せず、節税目的だけで物件を選んでしまうと、空室や将来の売却時課税で大きな損失を被ることになります。

不動産投資の真の成功は、「賃貸需要が高く資産価値が落ちにくい優良立地を選び、安定した手残りキャッシュフローを確保した上で、税務メリットを適切に享受すること」にあります。

株式会社 高翔が展開する「高翔Style+」では、兵庫県阪神間(芦屋市・西宮市・神戸市)に根差して創業38年・1,000棟以上の実績を誇ります。

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